薬家きく臓の「健康笑百科」vol.21(2011.3.15)

*

 

【地震とPTSD】

 11日 日本における観測史上最大のマグニチュード9.0の東日本大地震が発生し、地震後の津波による被害は、想像を絶するもので、その恐ろしさをまざまざと見せつけられました。まだまだ、死者や行方不明の方は増え続けており、どこまで被害があるのか。掴みきれないのが 現状のようである。今は、この災害の影響を受けられた皆様に、心よりお見舞いを申し上げますとともに、ご冥福をお祈り申し上げたく存じます。

 ところで、災害で一番気になるのは、環境汚染とその被害にあった人達の精神面である。特に、大きなショックを受けた人達の心のケア―は大切である。壊れた建物は 時間が立てば元通りになるが、ショックを受けた心だけは そんなに簡単なものではない様である。このこころの障害をPTSD(外傷後ストレス障害)と言われている。

 PTSDとは、何か脅威的なあるいは破局的な出来事を経験した後、長く続く心身の病的反応で、その出来事の再体験(そのことをありありと思い出す フラッシュバックや苦痛を伴う悪夢)が特徴的です。 通常は ショックな出来事を体験しても時間の経過とともに心身の反応は落ち着き記憶は薄れていきますが、あまりにも ショックが大きすぎる時や個人のストレスに対する過敏性が強い時、小児のように自我が未発達な段階では、大きな障害を残すことがあります。外傷的な出来事としては、大きな自然災害(地震、洪水、火山の噴火など)、人工災害(原発事故、航空機事故、列車事故、大きな交通事故、火災など)、犯罪(殺人事件、人質、強姦〈ごうかん〉、虐待〈ぎゃくたい〉など)があります。

 本日(15日)の朝日新聞に精神科医の中井久夫先生が 今回の地震対して「忘却こそ被災者の危機」と題して、「・・・阪神大震災の時は、各自治体の救援の車が見えただけでも心の支えになった。それから温かいご飯と、ゆっくり休める場所。被害直後はPTSDの予防にそれが一番重要になる・・・。過去に津波があり、集落が丸ごと破壊した例もある。それでも人間は住んで来た。まだまだ先は見えないが、集団として、立ち直ることは間違いない」と書かれておられます。

 これだけの大災害で、どの様なケア―できるのか。それは専門家にお任せするしかないが、こんな時、少しでも心が休まるのは、自然の美しさだと思う。自然の怖さで心が病んだ方に、自然の美しさを感じろとは誠に不謹慎な事かも知れないが、海からの津波は恐ろしかったが、海から出る太陽は雄大で美しい、海に沈む太陽はおごそかで、人に安らぎを与えてくれる。そんな時、ふと「笑顔」が出る事がある。その「笑顔」が、また、新しいエネルギーを与えてくれる。人は、自然から逃げる事はできない。共存共栄が原則である。憎い自然ではあるが、また、たくさんの恵みを与えてくれるのも自然である。これから美しく咲く桜は、人々に潤いを与え また、「笑顔」をもたらしてくれるのは間違いないであろう。

 今は、また、自然と共に楽しい生活が出来る日々を迎えられるように、一日でも早い復旧を ただただ願うと共に、PTSDとは、無縁の人々が多く出る事を祈っております。(きく臓)

 

*
連載目次
vol.1(2010.7.3) 初めまして
vol.2(2010.7.16) 更年期は楽しく
vol.3(2010.7.20) 美人は薄命か
vol.4(2010.7.28) 男性更年期(ストレス解消法)
vol.5(2010.8.5) 夏バテにすいか
vol.6(2010.8.17) 宿便と便(おなら)の臭い
vol.7(2010.8.26) お母さんと四診
vol.8(2010.9.07) 熱中症とさんま
vol.9(2010.9.21) 秋茄子は嫁に食わすな
vol.10(2010.9.30) 稲穂と彼岸花
vol.11(2010.10.12) 免疫と長生き
vol.12(2010.10.28) 白内障と老化
vol.13(2010.11.10) セロトニンと昼寝のすすめ
vol.14(2010.11.29) LOH症候群とたまねぎ
vol.15(2010.12.13) 二日酔いと柿
vol.16(2010.12.22) 冬至とかぼちゃ
vol.17(2011.1.7) お屠蘇と七草粥
vol.18(2011.1.21) 牡蠣と脳
vol.19(2011.2.7) 節分と大豆
vol.20(2011.2.28) 梅は咲いたか・・・
vol.21(2011.3.15) 地震とPTSD(外傷後ストレス障害)
vol.22(2011.3.28) 旬とたけのこ
vol.23(2011.4.11) 和食と食物繊維
vol.24(2011.4.25) お肉と健康

 

*

中井宏次

2011年1月現在

略歴

なかい・こうじ(NPO法人健康笑い塾塾長、薬剤師)

1975年、大阪薬科大学卒業、吉富製薬株式会社(現在:田辺三菱製薬株式会社)入社。秘書室長、人材交流センター長、学術研修部長、四国支店長等を歴任し、07年に退職。同時に、「医笑同源 笑い(ユーモア)で心豊かな歓びのある生活を!」テーマに「NPO法人健康笑い塾」を設立し、生活における笑い(ユーモア)の重要性を啓発活動している。また、33年間の会社経験を活かし、「笑いの経営的効果」「管理職のためのユーモア学」「ユーモア人財育成法」の研究にも取り組んでいる。一方では、学校法人で、事務局長として学校運営に携わり、大学・専門学校では、非常勤講師として、「人間関係論」「医療と笑い」「医療倫理学」の講座を担当し、教職としても「教育と笑い(ユーモア)」をベースに、これからの人財育成・予防笑学に情熱を注いでいる。また、薬家きく臓の芸名で落語も嗜んでいる。

◎NPO法人健康笑い塾(外部リンク)

【人生のテーマ】 医療、教育、笑い
【座右の銘】 仕事は楽しく 人生はおもしろく
【免許・資格】 薬剤師、日本笑い学会理事、 香川大学医学部非常勤講師、
淀川区医師会看護専門学校講師、神戸新聞文化センター講師、
NHK文化センター講師、シニア大樂講師 等
【所属団体】 日本笑い学会、ストレス学会、日本営業道連盟、関西演芸推進協議会
【講演テーマ】 「健康と笑いー人生は楽しく・美しくー」「医療と笑い」「教育とユーモア」
「笑う門に健康来る」「笑いの経営的効果―ユーモア人財は会社を変える」
「美容とユーモア」「アンチエイジングとユーモア」「大阪商人とユーモア」
「営業とユーモア」「創造とユーモア」「服薬指導とユーモア」
「大阪人ボケと突っ込み教えます」「これから期待される人間力」
「家庭内におけるコミュニケーション笑いの効用」 
「メンタルヘルスと笑い」 「また会いたくなる人財育成法」 
「人とのつながりと笑い」等
【講師歴】 明治大学、香川県立医療大学、大阪国際大学、大阪学院大学、京都文教大学 、
日本医療薬学会、大阪商工会議所、奈良県経営者協会、
豊中市商工会議所 医薬品情報研究会、 清話会、保険調剤薬剤師セミナー、
石川県難病リハビリセンター、 医療法人仁済会、社会福祉法人かがやき神戸、
医療法人社団 順心会、東京都品川区商店街連合会「商人塾」、
兵庫県中小企業家同友会、三菱電気、積水化学、タカラベルモント、
四国化工機共進会、 JA愛媛、がん患者の集い「たけのこの会」、
大阪府忠岡町 地区福祉委員会、柿茶(健康を考えるつどい)、
高梁市教育委員会、高知県養護教員協会、香川県芸術祭、
高松市健康福祉部 保健所、土佐市社会福祉協議会、大阪薬業年金基金、
大阪府雇用開発協会、健康みやざき笑顔大学(宮崎市保健所)、
神戸新聞さわやか大学、岡山県保健福祉部、 宮水学園、西宮市薬剤師会、
市川町商工会、他
【たしなみ】 落語、囲碁、スキュバーダイビング、小型船舶操縦免許(2級)
【たしなみ】 医療、教育、笑い
【座右の銘】 仕事は楽しく 人生はおもしろく

 

【NPO法人健康笑い塾 設立目的】

健康やコミュニケーションにおける笑い(ユーモア)の効果に関する普及啓蒙・調査研究事業等を行う事で、人々が日々の生活を楽しみ、人生を面白く 生きる健康長寿社会に寄与する事をサポートする

【講演の期待される3つの成果】

  1. 笑い(ユーモア)は、免疫力を上げ、ストレス解消になり、「人間は笑わなくてはいけない」事が理解でき、健康長寿へと繋がります。
  2. 笑い(ユーモア)は、楽しく豊かに生きる為のコミュニケーション、マネジメントの基本である事が理解でき、「また会いたくなる人財」となり、仕事が楽しくなります。
  3. 笑い(ユーモア)は、脳を活性化し創造力を養い、新しい発想により、人生がおもしろくなります。
*****