チーム医療多職種連携による成功例
第57回栄養改善学会で発表
伊藤礼 宮原富士子 株式会社ジェンダーメディカルリサーチ
【背 景】
地域薬局が在宅医療に積極的に関わるとは、医療の安全性の確保・生活の質の確保からも重要である。一方で管理栄養士が、在宅医療に直接関われる機会はまだ非常に少ない。
【目 的】
今回、我々は、認知力低下の糖尿病外来患者の管理を契機とした「薬局発信による連携体制の構築」と連携により患者の予後に好成績を得た。この経験に基づき、今後の在宅医療における管理栄養士の活動の可能性について検討したので報告する。
【症 例】
中堅病院に通院する糖尿病女性患者、夫婦二人住まい、糖尿病の治療は数年前から実施・自己都合による中止を繰り返し悪化となる。
教育入院の後、インスリンの自己注射に至る。認知力が低下し、自分では打てないため夫と夫不在時は娘の電話援助によりようやく打てている状態。薬局にもたびたび電話がかかる。管理薬剤師が別に住む娘と相談し、包括支援センターとのコンタクトを取ると同時に病院医師と相談の上かかりつけ医師への移行を試みることになる。ケアマネ、往診医師、看護師、薬剤師とともに、インスリン離脱を目指してチーム医療を行うため、管理栄養士も連携体制として加わることになる。食習慣を整えるため、日中はケアマネが弁当を手配する。
一方で弁当の味に変化がなく飽きてしまうということから毎週土曜日に管理栄養士が1600キロカロリーを目標とした二人分の昼食弁当献立を考案し、一緒に作るという方法で認知力低下対策にも力を発揮することとなった。すべてのスタッフの十分な連携により3ヶ月後にはインスリン離脱、経口糖尿病薬による管理に至り、当初の目標を達成した。
本件においては、担当医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、ケアマネ、ヘルパーそして家族が一丸となって在宅医療にあたったことが大きな成功要因であった。